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2005年9月28日 (水)

あやし 宮部みゆき

個人的には、女流作家の作品は読めないんですよ。途中でつらくなって投げ出す事が多い。海外モノならジョアン・ハリスの2作「ショコラ」と「ブラックベリーワイン」はとても楽しく読めたし、長くお気に入りでもあったのだけれど、和製はダメ。唯一の例外がこの宮部みゆき。思うに私は都筑道夫のファンで、「なめくじ長屋」は特に大好きなシリーズなので、その辺りの関係かも知れませんが・・・

何よりも、その文体がキリリとして歯切れが良いのが気持ちいい。お江戸の話を書こうっていうんだから、語り口がまわりくどくっちゃいけない。仕立てはお江戸を舞台にした連作の怪談なのだけれども、ひとの心の闇、一瞬の揺らぎ、そこにスルリと入り込んでくる怪異の描き方が抜群で、お化けの話というよりは、人間の情のせつなさがぐっとせまってくる。特に「布団部屋」と「女の首」は愛情にあふれており、何度も読み返してしまった。宙に浮いたままの謎が残る「居眠り心中」「時雨鬼」もいい話だ。秋の夜長のそれも秋雨のそぼ降る夜には、最適です。

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» 「あやし」宮部みゆき著【感想】 [日々の戯言]
面白かった。 ジャンルは時代物ホラー(@@;)。 時代物は環境の違いなどがある為に共感しづらい事もあり、あまり好きではなジャンルだけど、宮部みゆき作品はとっつきやすかった(^^) [続きを読む]

受信: 2005年10月13日 (木) 23時50分

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