« ラーメン雑炊 at 神座 渋谷センター街 | トップページ | 大晦日 »

2005年12月30日 (金)

バーティミアスⅢ プトレマイオスの門

昨年、第一巻の「サマルカンドの秘宝」と出会い、ほとんど10時間くらいぶっ続けで読んで、次の日には2巻目の「ゴーレムの眼」を買って、またまた徹夜して読みました。そして、1年間待ち焦がれた3作目。ホントにやめられない楽しさです。展開のスピード感と痛快さは、子どもの本にしておくのは、もったいない。というか階級闘争や腐敗した政府とかかなりシビアな現実が描かれたり、割と残酷なシーンがあったりと、本当に児童書?って感じですが、面白ければそれでよいのです。普通にSFを読む感覚で楽しめます。

魔法を扱った物語のため「ハリーポッター」シリーズと比較されやすいのでしょうか。でも、大人が読んだときの楽しさは、こちらのほうが数段上でしょう。主人公(?)のバーティミアスは、いわゆる妖霊(ジン)。シュメールの時代から歴史に顔を出すベテランでソロモン王と話し、プラハの城壁も築いた大物。これに、幼いのにプライドと上昇志向がやたら強い魔術師のナサニエルと不思議な少女キティがからみ、魔術師が政府の要職を牛耳る現代のイギリスを舞台に、サスペンス・ミステリータッチでストーリーは進行します。アメリカ植民地での独立運動やプラハを中心とした欧州諸国との魔法による戦争、一般人の魔法使いへのレジスタンス運動など、複雑な背景、世相と社会の閉塞感がしっかり描かれていて、作者の力量を感じます。その社会のなかで、重荷を背負って成長していくナサニエルとキティ。様々な国々の栄枯盛衰を見守ったバーティミアスの達観した視点も素晴しいし、なにより悪漢ぶりがカッコイイ。語り手がバーティミアスの部分には、バーティミアス自身の脚注がたくさん付いていて、これを拾って読むだけでも面白いです。

作者は、魔術に対する造詣が深いようで、イスラームから中世ヨーロッパあたりの魔術の流れが反映されていて、歴史好きも納得できる感じです。グラッドストーン魔術師説は、初めて知りましたが、イギリスでは、ポピュラーな説なのでしょうか?あっちの世界へ行ってバーティミアスに色々な民族の呪術を聞いてみたいものです。

|

« ラーメン雑炊 at 神座 渋谷センター街 | トップページ | 大晦日 »

「最近読んだ本」カテゴリの記事

コメント

先日はご訪問&TBとコメントありがとうございました。大変遅くなりましたが、こちらからもTBさせていただきましたので、ご報告にあがりました。
よろしくお願いします_(._.)_

投稿: にゃぷらー | 2006年1月 2日 (月) 13時17分

にゃぷらー様
ご訪問ありがとうございます。
シリーズ完結に悲しみに暮れております。
外伝とか出ないかなー・・・

投稿: 海鳥 暁 | 2006年1月 4日 (水) 21時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/129725/7911901

この記事へのトラックバック一覧です: バーティミアスⅢ プトレマイオスの門:

» ハリーを超えた! バーティミアスというファンタジーの感想 [RKのほんわか雑談所]
昨日は大雪のため、学校が突如休校となりました。 俺が学校に着く前に知らせろって話です。帰りは渋滞で、京都に着くまで三時間もかかりました。うぜぇ、うざすぎるよ先生。   それはともかく、突如として二連休(明日は登校)となったので、この前完結したファンタ....... [続きを読む]

受信: 2005年12月31日 (土) 18時40分

» バーティミアス、読み終わり。 [にゃぷらーずKABUKABU]
そういえば、本の話、書いたことありませんでした。本の虫なのに。ネタに困ったときなんか、ちょうどいいっすね。ふふふ今月、まだ一度もおさぼりしてないっす。具合悪くて、なかなか出かけられないから、ついPC触っちゃったりしてね。カレンダーが全部埋まっていくのを見るのは楽しいなっ。だけど、そのうち書くことがなくなりそうだし、そういうときのために、今のうちにカテゴリー増やしておこう(笑)   というわけで、本の話。つい先日、読み終わった本がこの『バーティミアス』シリーズです。   もともと、... [続きを読む]

受信: 2006年1月 2日 (月) 13時14分

« ラーメン雑炊 at 神座 渋谷センター街 | トップページ | 大晦日 »