「神統記」 ヘシオドス
さてさて、ホメロスからちっとも前に進めない世界文学の旅。ギリシア文学についての基礎知識などもおさらいしたりして、時間がかかっていますが・・・。
そしてこのわたしに 育ちのよい月桂樹の若枝を手折り
それをみごとな杖として授けられ わたしの身のうちに
神の声を吹きこまれたのだ これから生ずることがらと
昔起こったことがらを賛めうたわせるように。
ヘシオドスの「神統記」も基本的には、聴衆の前で吟じられた作品であるわけで、文字で読むのと古代ギリシア語の吟誦で聞くのとでは、大きな違いがあるのだろう。実際にヘシオドスは、詩の競技会で優勝し、賞品にもらった鼎(かなえ)をヘリコン山の神殿に奉納したと歌っている。
物語は、天地開闢から、様々な系譜の神々の出現を経て、ゼウスが世界の支配者となる過程をゼウスの正当性を主張しながら展開される。ゼウスの全知全能ぶりが、表現されていて、作者の見解というか個性が色濃くでた内容と目されているようだ。
一番最初にヘリコン山のムウサ(詩歌女神)への讃歌があり、その中で自分は女神達から真実を語る能力をさずかったと歌っている。神々へ捧げられる口頭詩の力強さが、古代への憧れを呼び覚ます。リズムの良さと力強さが、ともすれば冗長になりがちな神々の系譜の羅列の部分も読みやすくしている。神楽や能を観る感覚であまり違和感なく楽しむことができました。
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