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2007年2月19日 (月)

「電子の星 池袋ウエストゲートパークⅣ」

IWGPシリーズの4作目。テレビの長瀬の演技が好きで、本は後追いで読み始めたのだけれど、文章のスピード感とドライとウェットのバランスが絶妙で、(最近はマコトが歳をとったせいかちょっとウェットに流れる傾向があるけど)文庫を見かけると買って読むシリーズになっております。

今回も東京の旬を切り取った素材が並んでサービスたっぷり。

Gボーイズから足を洗ったツインタワー1号2号が開いた気合系新興ラーメン店へのネット中傷の犯人を探し出す「東口ラーメンライン」、上野のGボーイズのヘッドが西口公園で通り魔に殺された事件の顛末を追う「ワルツ・フォー・ベビー」、東南アジア出身の少年街娼とその家族の事件「黒いフードの夜」、合法すれすれで営業する超高級過激地下SMクラブを叩く「電子の星」等いかにもスポーツ新聞やニュースショウなどで面白おかしく取り上げられそうな刺激的な内容なのだが、視点はそれらのマスコミとはまったく逆で、実はそこには都市の中で一生懸命生き抜こうとする者への愛がたたえられている。

街は生きている。恐らく西一番街のマジマフルーツの店先に座っているマコトには、その鼓動が聞こえているのだろう。そして目の前のストリートを横切って行く、この街の住人達に愛を感じているに違いない。もちろん昔の下町ではないのだから、スタイルはドライだ。街で生きることはそんなに甘いことではない。だけど一生懸命生きようともがいている人間をなんとか助けてやりたいという気持ちは、自分の街が好きだという感覚と通じるところがあるのではないかと思うのだ。

渋谷人の私にとって池袋は得体の知れない怖い街だ。夜の北口のあたりなど人気が少なくて周りを気にしながら歩いてしまうほどだ。東池袋の一角なども、路地を曲がった瞬間に空気がガラリと変わることがあり、成熟した一種ずるいソフトさを身に着けた渋谷・新宿とは違い、むき出しの禍々しさがある街だ。

だからこそこのような若々しい視点の「街」を主人公にしたヒットシリーズが生み出されるのだろう。池袋の東京の今を切り取るこのシリーズが今後も続くことを祈る。ちなみに石田衣良の他の作品は、好きじゃないんですよ。このマコトが非常に魅力的なのは、長瀬の力もあるのかな?

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» 電子の星/石田衣良 [黒猫の隠れ処]
中短編4作を収録した池袋ウエストゲートパークIV。 なお、過去ログには2作目までしかありませんが、III『骨音』もちゃんと読んでますよ。 電子の星 池袋ウエストゲートパークIV (文春文庫)石田 衣良 文藝春秋 2005-09-02売... [続きを読む]

受信: 2007年11月13日 (火) 11時09分

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