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2007年3月 1日 (木)

「ソクラテスの弁明」 プラトン

これは本当におすすめなので、未読の方はぜひ読んでください!!

「世界文学のたび」とは言ってもギリシアはやはり思想関連も読んどこう!!と思って手に取ったプラトン。本書には「ソクラテスの弁明」「エウチュプロン」「クリトン」の3編が収められていますが、何で今までプラトンを読まなかったんだろうと後悔しましたよ。体裁は良く言われる「対話編」という形式で書かれていて、基本的にはソクラテスとエウチュプロンやクリトンの対話を書き記したものです。「ソクラテスの弁明」だけは、法廷でのソクラテスの弁明を記したものなので、基本的にソクラテスの独白になっています。

文章は非常に読みやすいです。ただし、言葉を正確に使おうとする点と、言葉を定義しながら話していこうとするソクラテスの方針からややまどろっこしい文章になっていますが、そこは慣れればまったく大丈夫でした。

この本で描かれているソクラテス像は、まったくの真実ではないのかも知れませんが、極端なフィクションでもないでしょうから、本当に「知者」と呼ぶにふさわしい人物だったと思います。有名な「無知の知」もソクラテスの独白に沿って読んでいくとすんなりと心に入ってきます。

また、死刑の決まったソクラテスに国外逃亡を勧めに来たクリトンに対して、ソクラテスが理路整然といかに間違った判決であっても国法に従って死ぬことが正義なのだと論証する「クリトン」は、このように簡略化して書くと冷血な感じがしますが、ソクラテスがクリトンの好意に非常に感謝し、気を使いつつも自分の正義を貫き通すことを親しい友人であるクリトンにも心の底から賛同して欲しいとの気持ちからこんこんと湧き出す言葉であり、私は素直に感動いたしました。

この「クリトン」の緊迫した状況での対話など、プラトンの文筆家としての力量はかなりのものだと思います。先のイエスもそうですが、人類の歴史の最初の頃にこのような素晴しい人物達が出てくれたことによって、現在の我々の正義観だとか愛の観念とかがあるのだと思うと、はるかな歴史上の人物が意外と身近に見えてきます。

「ソクラテスの弁明 エウチュプロン/クリトン」 プラトン 山本光雄訳 角川文庫

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