« 鍋島松濤公園 | トップページ | 蛍狩り at 東京大神宮 in 飯田橋 »

2007年6月13日 (水)

「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」 滝本竜彦 角川文庫

思えば大学生の時、私は「ひきこもり」寸前でした。もちろん当時そんな言葉はなかったし、実際にはちゃんと人並みに就職して、現在も会社に通っているのですから、何をか言わんということになるのですが・・・。

当時はパソコンなど個人で持っているヤツは稀だったし、インターネットなんて普及する前だったけれど、ファミコンはあった。発売されたばかりの「ドラゴンクエスト」に夢中だった。まだ、内臓バックアップ電池のないタイプ、そう「復活の呪文」を書き記すアレである。徹夜でドラクエして、書きとめた「復活の呪文」が間違っていたなんて日には、思わずファミコンを壊そうかと思うくらいだったが・・・。とにかく学校には行かなかった。

思えばこの物語の主人公山本陽介と同じで、どうにも自分の思い通りにならない世の中を現実のものとして受け入れる事がイヤだったのだろう。そんな少年にとってゲームやネットは格好の逃避場所だ。そして、大学生の私の前には、謎のチェーンソー男もそいつと戦う雪崎絵理のような美少女もついに姿を現さなかった。

夜な夜な現れる不死身のチェーンソー男と戦う陽介と絵理。チェーンソー男を「この世に哀しみを作り出している悪者」だと思い込んでいる絵理ちゃんのひたむきで真剣なところには、ホロリとさせられる。若者には世の理不尽さなんて容易には受け入れ難い。誰もヒーローになんてなれないし、本当の幸せなんて遠すぎて解らない。だから、解りやすい形での悪者が必要なのだ。それが不死身のチェーンソー男なのか、政府なのか、既成の価値感なのかは、それぞれなのだろう。

結局この世の中は楽しいことやいいことなんてほとんどなくて、でも、寄り添う人がいれば何とか過ごしていけると、まあネガティブハッピーって言葉の感触そのままに、なんだか不安定な二人はそれでも今は幸せなのだろう。

ゴチャゴチャと書き連ねてきたが、とても気楽に楽しく読める作品で、読後も清涼な感じが続く著者の青春の書。深読みしないで、笑って読むのが正解なんでしょうね。でもあまりにも自分の姿を見るようで、ついつい昔話を書いてしまった次第です。

私が引きこもりにならなくて済んだのは、高校時代にパンクの洗礼を受けていたおかげだと、ちょっと真剣に思っている。「NO FUTURE,NO CRY 未来は無いけど、泣いちゃダメだ」そう、何はともあれ歩いていかなくちゃ。

|

« 鍋島松濤公園 | トップページ | 蛍狩り at 東京大神宮 in 飯田橋 »

「最近読んだ本」カテゴリの記事

コメント

海鳥様、こんばんは☆
私も、ドラクエやりましたよ!復活の呪文帳もありました(笑)。
弟といつもファミコンの奪い合いでした。懐かしい~♪
そして、最近の私は、休みの日は家にひきこもってます。
ひきこもりついでに、ソーパーデビューもしてみました。
甘い物を食べても、なかなかベホマにならない今日この頃…。
聖水を振りまいて(笑)、日々過ごしたい気分です。
先日、れきおで「島らっきょう」の天ぷらを食べましたよ。
ぜひまた一緒に楽しく飲みましょう~♪

投稿: くろすみ | 2007年6月14日 (木) 01時05分

くろすみ様
久々のコメントありがとうございます。
「島ラッキョウ」のてんぷら美味しそう!!甘味が増す感じですか?
それから、ソーパーデビューおめでとうございます。
1回作ってしまえば、簡単でしょ?
そのうち苛性ソーダ臭にも慣れますよ。
うちは今、ククイナッツオイルを加えたヤツを仕込み中です。
出来上がりが楽しみ。
夏場は鹸化が早いから、楽ですよね。
また、飲みに行きましょう。当日アポでもOKですか?(笑)

投稿: 海鳥暁 | 2007年6月16日 (土) 12時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/129725/15421637

この記事へのトラックバック一覧です: 「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」 滝本竜彦 角川文庫:

« 鍋島松濤公園 | トップページ | 蛍狩り at 東京大神宮 in 飯田橋 »