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2008年10月 7日 (火)

「西の魔女が死んだ」 梨木香歩 新潮文庫

今年映画化されて、ちょっとした評判になっていたので、映画をご覧になった方も多いかと思いますが、私は映画は見ていません。

元々、ジョアンハリスの「ショコラ」や「ブラックベリーワイン」のような物語が好きで、本屋さんのおすすめコーナーにあったこの本を手に取ったのです。

しかし、この現代の日本という国は、なんと生きづらい場所であることか!!それは魔女にとっても同じこと。

本来は、キリスト教の影響が強いフランスのほうが、何かと邪教的な考え方は排斥される対象となる、あるいはそこまでいかなくても、地域社会の中で孤立させられる存在となりやすいのでしょうけど、本当は、八百万の神々が存在し、家の中のあらゆる物に精霊(妖怪)を見出してきたはずの日本のほうが、魔女にとっても住みづらい場所だとは・・・。

主人公まいのパパもママもいいヒトなんだろうけど、後ろに不幸な日本のシステムを背負っている。まいの悩みは私たちの悩みだ。老人であるおばあちゃんは、もう戦うことをしない。まいに戦いの心得を伝えるという役割を果たしている。最後におばあちゃんの魔法で、まいのココロの葛藤が見事に解けるシーンは感動的だが、やはりまいの戦いはこれからも限りなく続くのであって、なんとなく重さを背負わされたまま、物語が終わる感じにはなってしまう。

続編の「渡りの一日」では、ちょっと成長した力強いまいを私たちは見ることができる。まさに「ショコラ」のヴィアンヌのように風の中にすっくと立つことができる女性に向かって、歩き出したまいの姿を見て、私たちは安堵するとともに、この駆け出しの魔女に声援を送りたくなる。そして、それは、悲しみのシステムの中で生き続けなければならない自分への声援にほかならないのであろう。

ショコラのどこか御伽噺のような世界と比べるといささか現実的に過ぎるきらいはあるけれども、ロハスとかそんなことで片付けては、やっぱりいけない。かといってシブリのような安易な汎神論もどうかと思う。そもそも「社会的な生物」という人間の定義自体がややこしいのだから、ややこしい中で毅然として立つしなやかな決意が一番重要なのであろう。

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コメント

映画化されてましたねo

タイトルだヶを見ると怖いのヵなぁって
思ってたヶど、何だヵ奥が深そうですねo


投稿: Yuumi | 2008年10月 8日 (水) 01時32分

Yuumiさん
恐くないですよ。
私の読み方がひねくれているんだと思います。
結構ハートheartウォーミングな物語り
だけど考えさせられる
みたいな

今山手線の中デース。仕事多すぎwobblysign02

投稿: 海鳥 暁 | 2008年10月 9日 (木) 00時10分

ぉ疲れ様デス★

携帯ヵら返事を書ぃてるんですね♪

私のブログ、携帯ヵら見えなぃょうに
設定しちゃっててゴメンなさぃobearing

面倒なのに遊びに来てくれてぁりがとう
デスnote凄く嬉しぃhappy01

投稿: Yuumi | 2008年10月 9日 (木) 01時03分

Yuumiさん

いえいえ、こちらこそいつも楽しいコメントをありがとうございます!!

電車が終電だとすごく混んでいて、
余計に疲れます。

悪循環を早く断ち切らなくっちゃ!!

投稿: 海鳥 暁 | 2008年10月 9日 (木) 01時29分

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